街路灯の光を受けながら、静かに歩き始めた
首にマフラーを巻いて、公園のマラソンコースを、一歩一歩歩き始めた。
1周目は、他にランナーもいない様で、今日は自分一人だけか…そんなことを思っていた。
小学生か中学生だろうか、男の子が追い越して走り去った。
「あめでとうございます。」と、後ろから声を掛けられた。よくお会いするランナーだった。
2周目なのか、これが3周目なのか、起点を過ぎる前、分からなくなっていた。もう一周歩けたら、走ってみようと思った。
昨年11月24日に、かかとの筋を伸ばしてしまい、ずっと治療を続けてきた。その甲斐あって、年末には感触を掴んでいた。
足元を確認するかの様に、ゆっくりと走り始めたら、走ることが出来た喜びは消え、なんと言うのか「無心」になっていた。
道は真っ直ぐに、街路灯の強い白色の発色が注がれていたことを、この時初めて感じていた。
体の硬さが懐柔されて、なんだか心も息を吹き返した。
進むも止めるも、自分自身、ただ一人。
こうして新たな一年が始まっている。
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